「人参を持った金ピカのウサギ」が100億円で落札…「現代アート」の異様さ 作品が高額=「偉大な芸術作品」ではない [少考さん★]
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- 投稿者:admin | 2024年8月9日
1 :少考さん ★:2024/08/04(日) 20:15:52.76 ID:ZDS7Gaaa9.net
「人参を持った金ピカのウサギ」が100億円で落札…悪趣味な彫刻に札束が飛び交う「現代アート」の異様さ 作品が高額=「偉大な芸術作品」ではない | PRESIDENT Online
https://president.jp/articles/-/84256?page=1
2024/08/04 16:00
ナカムラ クニオ
アートディレクター
現代アーティストのジェフ・クーンズ氏が制作した彫刻『ラビット』は、2019年に約9110万ドル(当時約100億円)で落札され、現存作家としては史上最高額の美術作品として知られている。美術家のナカムラクニオさんは「クーンズはコピーや模倣を武器にし、炎上を繰り返して有名になった。これが偉大な芸術作品といえるのか、鑑賞する側も難問を突きつけられている」という――。
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目次
1.ストリートから誕生した「2人のスター」
2.「落書き」のような作品に隠された記号
3.「誰でも楽しめるものにしたい」という信念
4.オークション中に破壊された世界初の作品
5.「アートで大衆をつなぐ」という新しさ
6.「金ピカうさぎ」が100億円で落札され話題に
7.アーティストも鑑賞者も「難問」を突きつけられている
※本稿は、ナカムラクニオ『美術館に行く前3時間で学べる 一気読み西洋美術史』(日経BP)の一部を再編集したものです。
(略)
「金ピカうさぎ」が100億円で落札され話題に
ポップカルチャーのアイコンを作品に取り入れた、ちょっと悪趣味なステンレス彫刻で知られているジェフ・クーンズ。2019年に金ピカうさぎの『ラビット』が現存作家の最高額、約9110万ドル(当時約100億円)で落札され、「低俗で安っぽいうさぎがなぜ100億円なのか」と話題になりました。もはやアートなのか、ゲームなのか分からない、最新の炎上系アートとして面白がられているのだと思います。
アトリエに多くのスタッフを雇い、巨大工場を運営するように制作しているところも、現代的です。しかし、ルネサンス時代のラファエロ・サンティやバロック期のピーテル・パウル・ルーベンスなどヨーロッパの巨匠たちも、大規模な工房を構え、大量の受注をこなしていました。美術史的な観点から見ると、クーンズの生産スタイルも古典的であるともいえます。
クーンズは、1980年代に流行したシミュレーショニズムのアーティストです。コピーや模倣というスタイルを武器に使い、アメリカの繁栄をシニカルに表現しているともいえるでしょう。
初期の代表作は、水槽の中に3つのバスケットボールを浮かべただけの作品、チンパンジーのバブルスを抱いているマイケル・ジャクソンの金ピカ彫刻、大量生産された新型の掃除機をアクリルケースの中に並べただけの作品などが知られています。ポルノ女優で妻だったチチョリーナと一緒に『メイド・イン・ヘブン』という巨大看板のような作品を制作したこともありました。そして、バルーンアートのうさぎを鏡面仕上げのピカピカなうさぎに変身させた『ラビット』で一躍、誰もが知るスターとなったのです。
ジェフ・クーンズ氏の『ラビット』。現存作家の最高額、約9110万ドル(当時約100億円)で落札された
アーティストも鑑賞者も「難問」を突きつけられている
日常的なありふれたものを複製したり、再構成したりすることで「芸術の唯一性(アウラ)」を否定しているのです。これは、既製品を表現の素材とする手法「レディ・メイド」と呼ばれ、マルセル・デュシャンの代表作『泉』やアンディ・ウォーホルの『キャンベルスープ缶』の直系の子孫ともいえる立ち位置です。芸術を大衆化するという考え方は、みな同じです。
しかし、作品が高額だからといって、偉大な芸術作品というわけでもありません。現実の虚構性を浮かび上がらせているようにも見えます。著作権侵害訴訟が世界中で繰り返され、炎上する度に有名になり、価格がつり上がっていくという奇妙な構造も、ジェフ・クーンズらしい表現です。
物質社会を風刺するパロディーなのか、ゴシップ様式のアートなのか、それとも崇高な現代美術なのか。アーティストも鑑賞者も社会の常識やルール、スノビズム(俗物主義)とどう向き合っていくべきなのか、という難問を突きつけられているのです。
Point
作品が高額だから偉大な芸術作品とはいえない。スノビズムとどう付き合うかが問われている。
※全文はソースで。